「一般的な」麻雀のルールとは何か~私の場合~

Mリーグも盛り上がってきて、麻雀の知名度・人気度が上がってきている今日この頃です。さて、表題の件。放送対局で有名どころであるMリーグや麻雀最強戦、ネット麻雀でポピュラーな雀魂や天鳳、かたや一般の雀荘で行われるフリーやセットでも、それぞれで細かいところでルールが異なります。同じテーブルゲームの将棋だとさしてルールが変わることはあまりない(特殊ルールじゃなければ持ち時間くらいでしょうか)ものの、多様なルールがありそれによって戦略も変わってくるのが麻雀の面白みの1つであるものの、一方でそれが初心者にとっての分かりづらさになっているのかもしれません。
で、この記事でその結論は書かないしむしろ書けないのですが、ここでは日ごろ私が友人とセットでやるときのルールをMリーグと雀魂の段位戦ルールと比較することで考察してみることにします。
以下、私が友人とセットでやるときのルールを「セットルール」*1と書くことにし、雀魂の段位戦ルールは「雀魂」と簡略化することにします。なお、ここで特に言及しないものは、(いくらなんでも細かすぎるルールは除いて)各ルールで共通しているものとお考えください(例えば25000点スタートとか)。

ガリ止め

セットルール Mリーグ 雀魂
あり なし あり

純粋なゲームとしての競技麻雀と、セット麻雀やネット麻雀の違いの大きな1つとして、アガリ止めのありなしがあります。アガリ止めとは、オーラスで親が和了もしくは流局時に聴牌しているときに、そのまま対局を終了することができる権利のことです。たいていはオーラスで親の人が1位の場合に適用することが多いですが、2位や3位でも適用する流儀を採用している場合もあります(学生時代はラス回避のために止めることはごくまれにあったが、ここ最近は聞かない)。アガリ止めが存在することで、一般に起家のときに北家(すなわちオーラスで親になる)が有利になると言われています。
ちなみに、競技麻雀では採用されることがあまりないアガリ止めルールは、かつては麻雀最強戦で採用されていたことがあったそうですが、2018年にルール改定があり2024年現在ではアガリ止めなしになりました。

明槓(ミンカン)ドラ表示

セットルール Mリーグ 雀魂
補充牌を取り1枚牌を捨てた後 補充牌を取る前に表示 補充牌を取り1枚牌を捨てた後

ここも一般的なルールと競技麻雀でルールが異なるところです。暗槓した場合はすぐに新ドラを表示するのはいずれにも共通していますが、明槓の場合は、Mリーグでは明槓宣言直後に新ドラをめくっていますが、セット麻雀やネット麻雀ではあまり見かけません。Mリーグから麻雀に入られた方は、ここは注意が必要なところです。

暗槓の搶槓の例外

セットルール Mリーグ 雀魂
なし 役が国士無双のときのみ適用

暗槓の場合、基本的に槍槓は適用されないのですが、雀魂の場合、和了時の役が国士無双のときのみ暗槓される牌に対してロン宣言をすることができます。ちなみに、セットでは一度もそのような状況になったことがないので「?」としています(以降同様)。ちなみに国士無双のときのみ適用されるのはローカルルールとも言われています。

ツモ番のないリーチ

セットルール Mリーグ 雀魂
できない できる できない

Mリーグでは度々ドラマが起こる、最終巡でのリーチ。内川プロの海底一発ツモでの大逆転トップは有名な話ですね。しかしながら、セットや雀魂ではこのリーチはできません。

ダブロン

セットルール Mリーグ 雀魂
あり なし(頭ハネ) あり

ここもMリーグで度々ドラマになる話です。頭ハネで役満を逃した仲林プロのあの表情は今でも忘れられません。一方で、セットや雀魂ではダブロン(ロンによる2人の和了者を認める)はありになっています。ダブロンされた人にとってはたまったものではありません。

トリロン

セットルール Mリーグ 雀魂
なし(流局) なし(頭ハネ) あり

その一方で、トリロン(ロンによる3人の和了者を認める)はセットルールと雀魂では扱いが違います。セットではトリロンとなった瞬間に流局となることが多い(少なくとも私が最初に読んだ麻雀の本のルールにはそのような記載があった)ものの、雀魂はトリロンありなんだそうです。恐ろしい…。

点数の切り上げ

セットルール Mリーグ 雀魂
あり あり なし

今度は雀魂がセットやMリーグと異なるケースです。例えば子の30符4翻のロン上がりは、セットやMリーグ*2の場合は満貫の8000点ですが、雀魂では7700点になります。雀魂はこういうところだけなぜかトラディショナルなルールなんですね…。

チョンボによる罰符

セットルール Mリーグ 雀魂
子は2000・4000、親は4000オールの支払 20ポイントの減算 (起こり得ない)

例えば役がないとかフリテンなのにロン和了宣言して手牌を公開してしまった場合は、チョンボとして罰符を支払うことになります。セットの場合は満貫相当の点数を支払ってやり直し、Mリーグでは(細かい行為の対象はルールとして定められているものの)チョンボがあった局では、20ポイントマイナスとなって同じ局をやり直しとなります。セットと異なり相手に対し払わない意味では相手に利しない一方、純粋にポイントがセットのとき以上に引かれるのでなかなかの痛手です。その点、雀魂はチョンボになるような状況になるのは起こり得ない点では、初心者でもやりやすい麻雀ゲームとも言えます(逆にそこに依存しすぎるとなかなかルールを覚えなくなるデメリットはありますが…)。

西入

セットルール Mリーグ 雀魂
あり なし あり(西4局まで)

西入とは、東南戦で南4局を終えても誰も30000点を超えていない場合、誰かが30000点以上になるまで西1局から対局を続行することです。Mリーグだとどんなにトントンな点数でも南4局で終了する一方、セットや雀魂では西入があります。個人的には、学生時代に圧倒的にラスで凹んでいたオーラスでたまたま二盃口和了り、西入に持ち込んだことは今でも覚えています(ま、結局トップは取れなかったのですが)。

トビ

セットルール Mリーグ 雀魂
(人による) なし あり

点数がマイナスになった場合、トビといって対局がその時点で終了になるルールがあります。雀魂や(この記事ではこれまで言及していませんが)われめdeポンではトビありですね。Mリーグではトビなしで、最低点数のレコードという不名誉な記録もあります。一方、セットの場合は経験上人によって扱い方が様々な気がします。待っている人がいて半荘を回したい場合はありだったり、すぐに飛んじゃうとつまらないからなし、とかそこはいろいろだと思っています。

中流

セットルール Mリーグ 雀魂
九種九牌 あり なし あり
四風連打 あり なし あり
四軒立直 あり なし あり

麻雀では途中流局になるケースがあります。例えば1巡目に(それ以前に鳴きがない場合)一九字牌が九種類かつ九牌以上ある場合、九種九牌として途中流局することができます。Mリーグではいかなる途中流局は認められていないため、これらは適用されません。個人的には、全員が立直になる四軒立直でのめくり合いは、観ている側としては楽しいですけどね(やっている側はたまったものではないですが)。ちなみに、上記で挙げた3つは日本プロ麻雀連盟の公式ルールではかつて途中流局が認められていましたが、2023年のルール改正で認められなくなりました。

数え役満

セットルール Mリーグ 雀魂
あり なし(三倍満が上限) あり

数え役満とは13翻以上の役で和了したときに役満と同じ点数を適用するというものです。Mリーグでは役満以外の役では三倍満が上限になりますが、セットや雀魂では数え役満ありとなっています。和了ってみたいものだ。

和了

セットルール Mリーグ 雀魂
流し満貫 あり なし あり
十三不塔 あり なし なし
オープン立直 (人による) なし なし
四暗刻単騎 役満 二倍役満
国士無双十三面待ち 役満 二倍役満
九連宝燈九面待ち 役満 二倍役満
大四喜 役満 二倍役満

最後に和了役についてです。Mリーグは基本的にいわゆるローカル役と言われる役は認めておらず、例えば流し満貫や十三不塔は役がありません。また、役満の中でも四暗刻単騎(いわゆるスッタン)等の特別な待ち方や大四喜は、雀魂では二倍役満になります。ちなみに私はこの記事の執筆時点でリアル麻雀で役満和了ったことがありません(ネット麻雀では地和・国士無双四暗刻(単騎も含む)・大三元小四喜はあり。ちなみに九連宝燈に放銃したことはある)。いつかは和了ってみたい…!

あと、順位点もルールにより異なりますが、いろいろな流儀があるためここでは省略します(順位点のつけ方によって打ち方が大きく変わるので面白いところではありますが…)。

例えば、初めての人たちでセットで打つときとかは、打つ前に大まかなルールを確認するとよいでしょう。上記に挙げた違い以外にも

についても念のため確認した方がいいでしょう。余談ですが、まだ私が麻雀初心者でルールもよく知らなかったときに、悪い友人とセットしたときに「今日は喰いタンなしね」と言っていたのですがその意味がよく分からず(そもそもこの時点で確認すればよかったのですが)、喰いタン仕掛けて和了ろうとしたらチョンボを取られたときに、シメシメと見る悪い友人の顔は今でも忘れません。てめぇ…。

「一般的な」麻雀ルールというのは麻雀本や他のサイトで見かけるものの、何をもって「一般的」かはわからないところがあるので、統一したものがあってもいいかもしれませんね。とはいえ、セットで打っていているときにルールが決まっていないような状況があるときに「困ったらMリーグルールで」とMリーグルールを気軽に参照できるようになったのは、Mリーグ普及の貢献といえるでしょう。

amzn.to

*1:リアル友人向けの内輪な注意。ここで書いているルールはこれまで打ってきたルールを経験則的に平準化したものであり、必ずしも強制するものではない

*2:厳密には場ゾロの2翻を加えた6翻