就活において給与というのは誰でも気になるところですが、それを口に出すのはなかなかタブー視されているところがあります。日本人的な特質と言ってしまえばそれまでですが、それをいいことに、有る事無い事を言いまくって、偏った憶測が広まるのも問題です。
もちろん、職位・在籍年数・(場合によっては)部署・評価などで、給与が個人によるところはあるのは当然です。
とはいえ、、だからといって手がかりがないのも困ります。
そんななか、客観的な指標として手がかりになりそうなものに、生命保険会社各社が公表しているディスクロージャーの「平均給与」があります。
以下は、2017年度の各社のディスクロージャーから、平均給与(内勤職員)の数値を引用したものです。単位はいずれも月額ベースで、千円単位です。
なお、順序は生命保険協会の会員会社のディスクロージャー誌のリンクページ記載の50音順です。
アクサ | 453 |
アクサダイレクト | 504.4 |
朝日 | 400 |
アフラック | 397 |
アリアンツ | 671 |
SBI | 662 |
エヌエヌ | 520 |
FWD富士 | 534 |
オリックス | 404 |
カーディフ | 840 |
かんぽ | 353 |
クレディ・アグリコル | 808 |
ジブラルタ | 400 |
住友 | 347 |
ソニー | 383 |
ソニーライフ・エイゴン | 689 |
損保ジャパン日本興亜ひまわり | 380 |
第一 | 301 |
第一フロンティア | 454 |
大同 | 432 |
太陽 | 378 |
チューリッヒ・ライフ | 575 |
T&Dフィナンシャル | 419 |
東京海上日動あんしん | 417 |
日本 | 298 |
ネオファースト | 714 |
富国 | 349 |
フコクしんらい | 440 |
プルデンシャル | 472 |
PGF | 472 |
マスミューチュアル | 523 |
マニュライフ | 613 |
三井 | 428 |
三井住友海上あいおい | 406 |
三井住友海上プライマリー | 507 |
みどり | 318 |
明治安田 | 339 |
メットライフ | 429 |
メディケア | 442 |
ライフネット | 529 |
楽天 | 432 |
いかがでしょう。結構バラつきがあることはぱっと見でわかりますよね。
とはいえ、50音順ではわかりづらいので、平均給与が高い順に並び替えてみました。
カーディフ | 840 |
クレディ・アグリコル | 808 |
ネオファースト | 714 |
ソニーライフ・エイゴン | 689 |
アリアンツ | 671 |
SBI | 662 |
マニュライフ | 613 |
チューリッヒ・ライフ | 575 |
FWD富士 | 534 |
ライフネット | 529 |
マスミューチュアル | 523 |
エヌエヌ | 520 |
三井住友海上プライマリー | 507 |
アクサダイレクト | 504.4 |
プルデンシャル | 472 |
PGF | 472 |
第一フロンティア | 454 |
アクサ | 453 |
メディケア | 442 |
フコクしんらい | 440 |
大同 | 432 |
楽天 | 432 |
メットライフ | 429 |
三井 | 428 |
T&Dフィナンシャル | 419 |
東京海上日動あんしん | 417 |
三井住友海上あいおい | 406 |
オリックス | 404 |
朝日 | 400 |
ジブラルタ | 400 |
アフラック | 397 |
ソニー | 383 |
損保ジャパン日本興亜ひまわり | 380 |
太陽 | 378 |
かんぽ | 353 |
富国 | 349 |
住友 | 347 |
明治安田 | 339 |
みどり | 318 |
第一 | 301 |
日本 | 298 |
いかがでしょう。こうして見ると、軒並み大手社の平均給与が低いことに気づきませんか?一般論として、「大手⇒給与高い」というイメージを持ちがちですが、なんか意外ですよね。
これを見て、額面通り受け止めるべきではありません。これはあくまでも全職員の平均であり、なぜその額に収まったのかを、その会社の特性を考慮しつつ考えるのが賢明でしょう。
前提条件として、以下の点は少なくとも留意するべきです。
- 開示額は、税込定例給与である。つまり、手取りはもうちょっと低い
- 賞与や時間外手当(要するに残業代)は含まれていない(これはプラス要素)
- インセンティブ給も含まれていない
- 契約社員の給与も含まれている(単純に正社員のみというわけではない)
そして、大手社の平均給与が軒並み安いように見える理由ですが、いくつか考えられるところはあると思います。
- そもそも新卒社員を大量に採用している。そのため、給与が薄まって見える
- いわゆる一般職採用が多い
- 実は固定給以外の手当が充実している(あくまでも理屈としての話であり、可能性は低いと思う)
実際、ランキングの上位の会社に共通するのは、
- 少人数精鋭
- 新卒採用を行っていない(上位社で行っているのはマニュライフくらい?)
- 平均年齢がちょっと高め
というところです。それに対極にいるのが(?)大手と考えると、このような結果になるのはわからないでもないかと思います。
そうなると、同じ会社でもものすごくもらっている人とそうでない人の差が激しいということは見て取れるかと思います。ディスクロージャーとして、会社の有り様を表すものとして、例えば職種別とか、平均給与の分散とか、もう少し充実していてもいいのかな、と思うところはあります。
とはいえ、そうは問屋が卸さないのも事実ですので、就活生としてはやはりいろいろな人に聞いてみるのがいいでしょう。もっとも、ストレートに質問しても答えてくれる人は少ないはずなので、聞き方には気をつけるべきですが。