H17数学の所感

今回からアクチュアリー試験本番まで、過去問を解いたときの印象を「大学への数学」の問題解説前のコメント風に所感を付けていこうと思います。年度、科目は毎回バラバラです。
解けた、解けないという感想ではなく、あくまでも本番でこういうことを考えて、それまでにどのような準備をするべきか、という観点で書いてみたものです。
なお、問題や解答を掲載する、ということは一切しません。各自で用意して解いてみて、ニヤついてください。以下、毎回のテンプレ。

時間は本番レベルで解けるべきと筆者が考えるもの。*は10分、○は5分
A:基礎、B:標準、C:発展、D:難題
※あくまでも個人的な見解です

問題1
(1) 【確率・確率漸化式】確率の漸化式を求める問題。これくらいは朝飯前に解きたい。 A○
(2)【統計・区間推定】母分散の信頼区間の丸暗記でも解けます。95%のカイ二乗分布の値は使わないことに気づくと計算の節約になります。A○
(3)【モデリング・回帰分析】S_{t-1}の係数が1なのでユールウォーカーの方程式は使えません。自力で解くしかありませんが、定義通りやれば解けるでしょう。B*○
(4)【確率・和差積商の分布】これは落とせない。A*
(5)【モデリング・回帰分析】決定係数が大きい方が変換による回帰式として優れています。2回最小二乗法をするので計算量が多いのに気をつけましょう。B*○
(6)【統計・区間推定】n日後の価格が2000円以上になる、ということを統計手法でどのように言い換えるかがポイント。あとはいつもの必要標本数を求める問題。B**
(7)【モデリングマルコフ過程】推移行列を作れば容易です。推移行列の2乗の解釈に気をつけましょう。B*
(8)【モデリング・シミュレーション】逆関数法で解くだけならさほど難しくはないですが、保険金額に変換して合計を求めるところの計算量が多いのが厄介です。C**
(9)【確率・有名な分布、条件付き確率】①は瞬殺。③は時系列を考えて整理してから確率を書き下しましょう。B*
(10)【確率・円に関する問題】円周上を動く→[0,π]を一様に動くと解釈することを知っていればあっさり解けるでしょう。B*
(11)【モデリングブラウン運動】真面目に解いてもいいですが、X_nは標準ブラウン運動であり、正・負どちらに動く確率も1/2と考えれば、直感的にも明らかだと思います。A○
(12)【確率・期待値】3つ失敗すると終了するゲームといえば…。0〜2個しかつぼに玉を入れていないときの場合を除くことに注意。B*○
問題2【統計・不偏推定量】不偏推定量を求める典型的な問題です。Tを求めるのが煩雑ですが、丁寧にやれば大丈夫でしょう。B*○
問題3【確率・確率漸化式】ヒントから、期待値の漸化式を作ることに気づけば簡単でしょう。最悪これがわからなくても(1)くらいFs(1/6)なんですから瞬殺できますよね。B*○