採用企業に望む(とりあえず)3つのこと

私が就活生だったとき、いろんな出会いや経験、苦労がありました。そんななかで、これはさすがにやりすぎではないのか、と思う企業特権のようなものも散見されました。
最近では就活デモや就活生組合なるもので就活生の権利を主張するものも見られますが、就活というものを経験した者から、これは学生にも企業にもマイナスではないか、というものを挙げてみたいと思います。

1.セミナー参加回数による選考優遇をやめよ

一部の企業では実施されているのではないか、と言われているセミナー参加回数による選考優遇。実際、どの企業が行なっているか、という犯人探しのようなことはここではいたしませんし、実際にやっていると思われる企業の採用基準を覗いたわけではないので確定的ではありません。ただ、私や周りの状況を聞く限りでは、セミナーへの参加回数に比例して早期に実質的な選考を実施していると思われる企業はぽつぽつとあります。
まあ敢えて「ない」とは信じたいですが、セミナーへ多く参加したからといって、熱意や優秀さは相関しているものでしょうか。授業はそっちのけでPCに張り付いている学生が熱心で優秀でしょうか。地方にいて何回も参加できない学生の熱意は薄いのでしょうか。
1つの評価にはなっても、過信するのは学生のモラルハザードセミナー予約サイトのフリーズしか招きません。

2.選考日程の制限による学生の拘束をやめよ

選考が進んでいくと、電話で選考通過の連絡をしてくれる企業が出てきます。いろいろと反省があって、「祈られた」かと思った矢先の通過はなんとも嬉しいものです。
しかし、次の瞬間、学生はジレンマに陥ります。人事「○○日の△△時はいかがでしょうか」学生「ちょっと他社の選考が重なっていて、厳しそうなのですが…」人事「申し訳ないですが、この日程しか用意していないんですけれども」学生「……」
この場合、ケースは2つ考えられます。1つは通過連絡が最後らへんになり、本当に日程が少なくなってしまったから、というもの。もう1つは、学生の意欲を見るために意図的に日程を絞ってプレッシャーをかける、というもの。とはいえ、どちらも悪質としかいいようがありません。
まず、前者ですが、特定の期間で選考を終わらせようとするから、こういう無理が生じているのではないでしょうか。前の選考での成績順に連絡している、としてもその成績順通りに活躍するかなんてわかりません。それに、日程なんて埋めるのではなく、「作れば」いいのですから。もちろん、後者は論外です。
もっとも、真に客観的に連絡したいならば、電話やケータイメールへ選考通過連絡をしておいて、そのうえでネットで予約させる、というのが確実だと思うのですが…。
本当に欲しい人材ならば、時間をかけてでもきちんと選考するのが長期的な視点で吉です。学生だっていろいろな企業を回りたいのです。それを一企業の人材確保のために拘束かけようとするのは「ケツの穴が小さい」と思われても仕方がありませんし、ミスマッチを引き起こす要因にも成り得ます。

3.選考後の「合格者のみ通知」をやめよ

これも学生の精神衛生を悪くさせるものです。
とはいえ、これをやるのも企業側にも理由があります。1.不合格通知を出してしまうと、辞退者が出たときの補充ができないから、2.選考人数が多すぎて不合格者にまで連絡する時間とお金がない
後者はメールで十分なはずです。1.の場合だと、それこそ「補欠通知」を出せばよいのです。そうすれば「祈られる」よりも一日千秋の思いでいるよりもマシになると思います。なにより、入社して「ホウ・レン・ソウ」を大事するのに「レン」を欠くのは社会人として不誠実でしょう。

今の就活環境が良いとは思いません。が、過激な運動家が主張するような改革が劇的に行われるのも現実的ではありません。ただ、目の前の是正を正していくことこそ、環境改善の一歩ではないか、と思うところであります。