生命保険の数学

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作者: 成川淳
出版社/メーカー: オーム社
発売日: 2011/09/23
メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「生命保険の保険料の仕組みってどうなっているの?」会社によって高かったり安かったり、商品のバリエーションが異なるものです。その仕組みをスパッと数学的に説明してくれている本が、今回ご紹介する「生命保険の数学」です。
中身は、いわゆる「生保数理」。契約者が知りたいような「商品のカラクリ」の話はありませんが、保険数学に興味を持っている人にはうってつけの本だと思います。
特徴的なのは、数値例が多いことと、近年発売されている商品のトピックが載っていることでしょう。初めて保険数学を勉強した人にとっては、抽象的な話ばかりで中身がさっぱり、ということにはあまりならないようになっています。また、生保数理のテキストの類には載っていなかった「アカウント型保険」の保険数理的な説明は勉強になりました。アクチュアリー試験対策だけに固執していると、伝統的な保険商品についてしかよくわからない、ということはままあるので。
余談ですが、アクチュアリークラスタですと、著者の成川淳氏のホームページにお世話になっている人もいらっしゃると思います。アクチュアリー試験に関するまとめも豊富です。私も生保数理のTeXでの記号出力方法についてお世話になっています。
ただ、いただけないのは、「収支相の原則」というとんでもない誤植が散見されることでしょうか。結構重要な用語だと思うので見逃すはいかがなものかと思いますが。。
アクチュアリー試験の観点でいうと、あまり適さないかな、という気がします。試験では必須の就業不能保険や多重脱退のトピックが抜けているし(これは意図的?)、重要な部分だけかい摘んで書かれている印象があるからです。ノンアクチュアリーだけど保険数理の仕事をされている方や、保険数学に興味を持った学生、あるいは試験も終えて読み物として読みたいアクチュアリーには喜ばれる、と言ったところでしょうか。
指定教科書の二見氏のテキストもいいですが、やはり、生保数理のテキストは山内氏の「生命保険数学の基礎」でしょう。

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作者: 山内恒人
出版社/メーカー: 東京大学出版会
発売日: 2009/12/01
メディア: 単行本
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